独自ドメイン取得後はDNS、SSL、WordPress URLの順で進める
独自ドメインを取得した後、最初にやることはWordPressのURL変更ではありません。先にサーバーへ独自ドメインを追加し、DNSでそのドメインを利用中のサーバーへ向け、SSL証明書を発行できる状態にしてから、WordPress側のURLをhttpsへそろえます。
順番は次の通りです。ドメイン会社で取得、サーバー管理画面でドメイン追加、DNS設定、DNS反映確認、無料SSL設定、https表示確認、WordPressのサイトアドレス確認。この順番にすると、表示されない時に「DNSがまだ反映していないのか」「サーバーにドメインを追加していないのか」「SSLだけ失敗しているのか」を分けて見られます。
| 順番 | 見る場所 | やること | ここで失敗すると起きること |
|---|---|---|---|
| 1 | サーバー管理画面 | 独自ドメインを追加する | DNSが合っていてもサーバー初期画面になる |
| 2 | ドメイン管理画面 | ネームサーバーまたはDNSレコードを設定する | 古いサーバーや別ページへ向く |
| 3 | サーバー管理画面 | 無料SSLを発行する | httpsで警告が出る、SSL発行に失敗する |
| 4 | WordPress管理画面 | サイトURLをhttpsの独自ドメインへそろえる | ログインできない、画像がhttpのまま残る |
ポイントは、DNSとSSLを待たずにWordPressのURLだけ先に変えないことです。URLを先に変えると、管理画面へ入れない、リダイレクトがループする、httpとhttpsが混ざる、といった別の問題を作ることがあります。
ネームサーバー変更とDNSレコード編集のどちらを選ぶか
独自ドメインをサーバーへ向ける方法は、大きく分けて2つあります。ドメイン全体の管理をレンタルサーバーへ任せるならネームサーバー変更、Webだけを新サーバーへ向けたいならDNSレコード編集です。
初心者がWordPressだけを始めるなら、サーバー会社の指定するネームサーバーへ変更する方が迷いにくいです。Web、SSL、メール、サブドメインを同じ管理画面で見られるためです。一方で、すでにGmailや会社メールを使っている場合、ネームサーバーを丸ごと変えるとメール設定まで影響することがあります。その場合はAレコードやCNAMEだけを編集する方が安全です。
| 方法 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| ネームサーバー変更 | WordPressもメールも同じサーバーで管理したい | 既存メールやDNS設定がある場合は移し忘れに注意 |
| Aレコード編集 | Webだけ新しいサーバーへ向けたい | サーバー会社が示すIPアドレスを正確に入れる |
| CNAME編集 | wwwを独自ドメイン本体へそろえたい | example.com本体にはCNAMEを使えないDNSもある |
| MX/TXTを維持 | メールや送信認証を既存サービスに残したい | Web設定とメール設定を混ぜて消さない |
たとえばWebだけを新サーバーへ向けるなら、example.comのAレコードをサーバー指定のIPへ向け、www.example.comはCNAMEでexample.comへ向けます。メールを別サービスで使っている場合は、MXレコードとSPF/DKIMなどのTXTレコードを消さないようにします。
example.com A 203.0.113.10
www.example.com CNAME example.com
example.com MX mail.example.com
example.com TXT v=spf1 include:example.net ~all
上のIPアドレスや値は例です。実際にはレンタルサーバーやメールサービスが指定する値を使います。DNSは一文字違っても効かないため、手入力よりコピーして貼り付け、最後に余分な空白が入っていないか確認します。
あわわ…ネームサーバーを変えたら、メールまで止まることがあるんですか?
あるんだよ。
ぼくも、Webだけ移したつもりでメールが届かなくなった相談を見たことがあるよ。
うわぁ…。
私、ブログのことだけ見て、メールのこと忘れちゃいそうです。
ミカさんなら、先に紙に三つだけ書くといいかな。
Web、メール、サブドメイン。
この三つだよ。
それならできそうです。
メールって、ブログとは別の入口なんですね。
そうそう。
DNSは怖い表じゃなくて、どこへ届けるかを書く案内板だと思えばいいよ。
DNS反映待ちと設定ミスは症状で切り分ける
DNS変更後はすぐに全員へ同じ結果が出るとは限りません。しばらく古い表示が残ることがあります。ただし、数時間待ってもサーバー初期画面、別サイト、SSLエラー、wwwだけ表示されない状態が続く場合は、待つだけでは直らない設定ミスを疑います。
切り分ける時は、ブラウザの見た目だけで判断しません。サーバー管理画面に独自ドメインが追加されているか、ドメイン管理画面のネームサーバーが指定値か、Aレコードが古いIPを向いていないか、wwwありとなしの両方を設定しているかを確認します。
| 症状 | よくある原因 | 見る場所 | 直し方 |
|---|---|---|---|
| サーバー初期画面が出る | サーバーに独自ドメインを追加していない | サーバー管理画面 | 対象ドメインを追加し、公開フォルダを確認する |
| 古いサイトが出る | Aレコードやネームサーバーが旧サーバーのまま | ドメイン管理画面 | 旧IPや旧ネームサーバーを外す |
| wwwだけ表示されない | www用のCNAMEまたはAレコードがない | DNSレコード | www.example.comを追加する |
| SSL発行に失敗する | ドメインがまだサーバーへ届いていない | DNS確認とSSL画面 | DNS反映後にSSLを再実行する |
| 管理画面へ入れない | WordPress URLを先に変更した | WordPress設定 | サーバー側からURL設定を戻す |
確認は、スマホ回線とPC回線の両方で行うと分かりやすいです。片方だけ古い表示ならDNSキャッシュの可能性があります。両方とも同じ間違った表示なら、DNSまたはサーバー側の設定を見直します。
無料SSLはDNSがサーバーへ向いた後に有効化する
無料SSLは、サーバーが「このドメインは自分のサーバーへ向いている」と確認できてから発行されます。DNSがまだ旧サーバーを向いている、wwwだけ違う場所へ向いている、サーバー側にドメインを追加していない、という状態ではSSL発行に失敗しやすくなります。
SSLボタンを押す前に、httpで独自ドメインを開いた時に利用中サーバーの公開領域へ届いているかを確認します。その後、サーバー管理画面で無料SSLを有効化し、httpsでトップページと投稿ページを開きます。ブラウザに「保護されていない通信」と出る場合は、SSL未発行だけでなく、画像や内部リンクがhttpのまま残る混在コンテンツも確認します。
- http://example.com が利用中サーバーへ届く
- http://www.example.com も使うなら同じサイトへ届く
- サーバー管理画面で無料SSLの状態が有効になっている
- https://example.com で警告なしに開ける
- WordPressの画像、CSS、内部リンクがhttpsになっている
SSLが有効になった後に、WordPress管理画面の「設定」からWordPressアドレスとサイトアドレスをhttpsの独自ドメインへそろえます。ここをSSL前に先走ると、管理画面へ入れなくなることがあるため注意します。
SSLって、ボタンを押したらすぐ安全になると思ってました。
違うんですか?
ボタンは大事だけど、その前にドメインがサーバーへ届いている必要があるんだよ。
失敗って出たら、私たぶん泣きそうになります…。
泣かなくて大丈夫。
まずDNS、次にSSL。
この順番に戻るだけで直せることが多いよ。
メールを使うドメインはMXとTXTを消さない
独自ドメインでメールも使う場合、Webサイトの設定だけで作業を終えてはいけません。メール配送はMXレコード、迷惑メール対策はSPFやDKIMなどのTXTレコードを使うことが多く、WebのAレコードとは役割が別です。
たとえば、サイトはレンタルサーバーへ移すが、メールはGoogle Workspaceや別メールサービスで使い続ける場合、Aレコードだけを変更し、MX/TXTは既存サービスの指定値を残します。ネームサーバーを丸ごと変更する場合は、旧DNSにあったMX/TXTを新しいDNS管理画面へ移し替える必要があります。
| 使うもの | 主に見るレコード | 消すと困ること |
|---|---|---|
| WordPressの表示 | A、AAAA、CNAME | サイトが表示されない、別サーバーへ向く |
| メール受信 | MX | メールが届かない |
| メール送信の信頼性 | TXT、SPF、DKIM | 迷惑メール判定されやすくなる |
| サブドメイン | A、CNAME | blogやwwwなど一部だけ表示されない |
会社サイト、店舗サイト、問い合わせフォームを使うサイトでは、メール停止の影響が大きくなります。公開前に、問い合わせフォームから自分のメールへテスト送信し、受信できるかまで確認します。
wwwありなしとhttp/httpsは公開前にそろえる
独自ドメイン公開でよく残るのが、wwwあり、wwwなし、http、httpsの混在です。検索エンジンや読者から見て同じサイトとして扱いやすくするため、最終的に使うURLを一つ決め、他のURLからそこへ転送される状態にします。
初心者は、まずhttps://example.comを主URLにするか、https://www.example.comを主URLにするか決めます。WordPress側のサイトアドレス、サーバー側のリダイレクト、内部リンク、サイトマップのURLを同じ形へそろえます。
| 確認URL | 期待する状態 | 問題があれば見る場所 |
|---|---|---|
| http://example.com | httpsの主URLへ転送 | サーバーのSSL/リダイレクト設定 |
| https://example.com | 警告なしで表示 | SSL、WordPress URL、混在コンテンツ |
| http://www.example.com | httpsの主URLへ転送 | wwwのDNS、リダイレクト設定 |
| https://www.example.com | 主URLへ転送または正式表示 | SSL対象、wwwの扱い |
公開直前にはトップページだけでなく、投稿ページ、画像があるページ、ログイン画面、問い合わせフォームも開きます。特に画像だけhttpで読み込まれている場合、ページ本文は表示されてもブラウザの鍵マークが正常にならないことがあります。
ドメインの前に付く文字があるURLと、付かないURLって、同じものじゃないんですか?
見た目は似ているけど、設定では別の入口として扱われることがあるんだよ。
片方だけ警告が出たら、私、どっちを信じたらいいか分からなくなりそうです。
その時は四つ開こう。
http、https、先頭の文字あり、なし。
開いて見るだけで取りこぼしが減るよ。
それなら私でもできそうです。
メモしながら開きます!
うん、それで十分だよ。
難しい言葉より、実際に開いて見るのがいちばん確実かな。
サーバーを選ぶ時はDNSとSSLの管理しやすさも見る
独自ドメイン設定で何度も迷う人は、料金だけではなく、DNS、無料SSL、バックアップ、メール、サポートが同じ管理画面で確認しやすいかを見ます。設定が分かれていると、問題が起きた時に「ドメイン会社を見るのか、サーバーを見るのか、WordPressを見るのか」で止まりやすくなります。
| 見る項目 | 初心者に効く理由 | 確認する画面 |
|---|---|---|
| 無料SSLの状態表示 | 発行済みか失敗か分かる | サーバーのSSL設定 |
| 独自ドメイン追加画面 | 公開フォルダやwwwの扱いを確認しやすい | サーバーのドメイン設定 |
| DNS管理 | A/CNAME/MX/TXTを一画面で見られる | DNSレコード設定 |
| 自動バックアップ | URL変更やSSL設定後に戻しやすい | バックアップ/復元画面 |
| サポート | DNSとSSLの切り分けを相談しやすい | ヘルプ、チャット、メール |
すでにサーバーを契約済みなら、今の管理画面で上の項目を確認します。これから選ぶなら、WordPressの簡単インストールだけでなく、独自ドメイン追加後のSSLやメール設定まで見やすいかを比較すると失敗しにくくなります。
サーバー選びって、速さと料金だけ見ればいいと思ってました…。
速さと料金も大事だよ。
でもミカさんみたいに初公開が不安なら、迷った時に戻れるかも大事かな。
SSLで止まった時に、どこを開けばいいか分からないのが一番こわいです。
それなら、無料SSL、DNS、バックアップ、サポートを同じ画面で追いやすいかを見るといいよ。
安さだけじゃなく、迷わないこともコスパなんだ。
DNSとSSLで迷いにくいレンタルサーバー候補
独自ドメインの初期設定が不安なら、無料SSL、DNS、バックアップ、メール、サポートを確認しやすいサーバーを選ぶと作業が安定します。ここでは登録済み商品の中から、DNSとSSLの初回公開で比較しやすい候補を整理します。
エックスサーバー
独自ドメイン、無料SSL、バックアップ、メールまで長期運用で確認しやすい
向いている人 仕事用サイト、店舗サイト、長く育てるWordPressを安定運用したい人
- 無料SSLと自動バックアップを標準で確認しやすい
- メールや複数サイト運用もまとめやすい
- 初めての独自ドメイン公開でも情報を探しやすい
ConoHa WING
WordPress開始と独自ドメイン設定をまとめて進めたい時に見やすい
向いている人 ブログ開始、管理画面の分かりやすさ、速度を重視する人
- WordPressかんたんセットアップを使いやすい
- 無料SSLや自動バックアップの状態を確認しやすい
- 初期設定をまとめて進めたい初心者に向く
ロリポップ
低価格で小さく始めつつ、独自ドメインとSSLを試しやすい
向いている人 費用を抑えて小規模ブログや検証サイトから始めたい人
- 低価格帯から選べる
- 小さく始めて必要に応じて上位プランへ移しやすい
- 初期費用を抑えたい時の候補になる
よくある質問
DNSを変えたのにすぐ表示されません。待つべきですか?
まずは待つ前に、サーバーへ独自ドメインを追加済みか、ネームサーバーまたはAレコードが正しいかを確認します。設定が正しければ反映待ちの可能性があります。古いサーバーや初期画面が長く続く場合は、旧IPやwww側の未設定を疑います。
無料SSLが失敗した時は何から見ますか?
ドメインが利用中サーバーへ向いているかを先に見ます。SSLは、サーバーが対象ドメインを確認できない状態では発行できません。DNS反映、サーバー側のドメイン追加、wwwありなしの設定を確認してから再実行します。
WordPressのURLはいつ変更しますか?
DNSが利用中サーバーへ向き、無料SSLが有効になり、httpsで表示できることを確認してから変更します。先にURLだけ変えると管理画面へ入れなくなることがあります。
メールも同じ独自ドメインで使う場合は何に注意しますか?
Web用のA/CNAMEと、メール用のMX/TXTを分けて確認します。ネームサーバーを丸ごと変更する場合は、旧DNSにあったメール用レコードを新しいDNSへ移し忘れないようにします。
独自ドメイン公開前に、DNSとSSLを一度だけ表にして確認する
公開前に、利用するドメイン、ネームサーバー、Aレコード、www、MX、無料SSL、WordPress URLを一枚にまとめておくと、表示されない時に戻る場所が分かります。これからサーバーを選ぶ場合は、DNSとSSLを管理画面で確認しやすいかも比較材料にしてください。